理学療法の定義は世界保健機構及び世界理学療法連盟(1982年)によると「理学療法は治癒体操(運動療法)熱・冷・光・水・マッサージ・電気などを使う身体的治療の科学及び技術です。治療の目的には疼痛の緩和、循環の改善、障害の予防と軽減、及び筋力、可動性、協調性などを最大限に回復することなどがあります。
理学療法には神経損傷の程度、筋力を測定するための電気的及び徒手的テスト、各種機能測定テスト、関節可動域測定、肺活量測定などを医師の診断の補助として、また回復度を記録するために行うことも含まれている」と記載されています。
患者や身体障害者の社会復帰を支援する活動を「リハビリテーション」と言います。「リハビリテーション」は、医学的・社会的・職業的領域に分けられますが、「理学療法」は医学的領域に属します。「理学療法」は、主に日常生活に必要な運動機能の回復や維持、障害悪化の予防について担当し、医師の指示の下に治療が行われます。
理学療法には、運動療法と物理療法の二つに分けることが出来ます。
@:運動療法:理学療法士の手技や器具、患者自身の力で体を動かして治療する方法です。
・関節可動域運動:固まってしまった関節をストレッチなどで動くようにする運動
・筋力強化・筋機能回復運動:低下した筋力をトレーニングによって回復・増強する運動
・協調性開封運動:神経系の働きが損なわれた場合、もとの感覚を取り戻すための運動
A:物理療法:患者の身体の外から物理的なエネルギーを加えて治療する方法です。
・温熱療法:患部を温める方法
・寒冷療法:患部を冷やして、痛みやはれをやわらげる方法
・電気療法:マイクロウェーブや超音波で患部に刺激を与える方法
・水治療法:温水・冷水に患部を入れ、浮力や水流を利用する方法
・光線治療法:患部に照射した光線のエネルギーを利用する方法
・牽引療法:四肢や脊椎に牽引力を作用させる方法
B:日常生活の作動:着替えや入浴などの基本的な動作から、家事などの応用的な動作まで、日常生活の動作の練習をします。
理学療法士の勤務先は、80%が医療施設です。福祉施設や研究所、行政機関といった就職先などもあり、スポーツ医学・トレーナーなどの活躍の場も広くなってきているようです。しかし、理学療法士の数は増えてきていて、新しい療法も開発されているようです。
理学療法士としての質が求められていて、これからの自己研鑽は不可欠のようです。